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THE STORY OF UNIVERSAL GENEVE POLEROUTER - Arbitro
Buyer's Guide

THE STORY OF UNIVERSAL GENEVE POLEROUTER

http://claremontvintage.com/2018/10/21/aviation-history-the-sas-polarouter/

 

腕時計の歴史を振り返るうえで、重要な時計のひとつ"ポールルーター"を生み出したブランド「UNIVERSAL GENEVE ユニバーサル・ジュネーブ」。

ユニバーサル・ジュネーブの歴史は、このブランド名が誕生する前の1894年まで遡ります。

1984年にNuma Emile Descombes(ヌーマ・エミーユ・デコーム)と Ulysse Georges Perret(ユリス・ジョルジュ・ペレ)がスイスのル・ロックルに「Universal」ユニバーサルを設立したのが始まりです。

1917年にはクロノグラフの腕時計を販売、1934年に「ユニバーサル・ウォッチ・ジュネーブ」という名前に変更し、その翌年に今でも人気のモデル「コンパックス」シリーズのファーストモデルを発表。

3レジスターと2プッシュピースを備えたクロノグラフ時計を世界で初めて開発し、技術力の高さには定評のあるブランド。

ユニバーサル・ジュネーブはクロノグラフも自社で生産するマニュファクチュールとして高い技術力が光るブランドなんです。

自動巻きの腕時計として名高い「ポールルーター」を生み出したのもこのブランド。

そのポールルーターが生まれたストーリーを見ていきましょう。

 

 

時は東西冷戦時代、東西ドイツの間でアメリカを中心とする西側諸国とソ連を中心とする東側諸国とに分かれていたことにより、西側諸国の飛行機は東側諸国上空を飛ぶことができませんでした。

そのような事情もあり、1950年代にスカンジナビア航空はヨーロッパからアメリカ・カリフォルニアまでのフライト時間(数千km)を短縮するために新ルートの開拓が必要になりました。

このことがポールルーター誕生のストーリーにつながっていきます。

 

新ルート開拓にあたって障害となったのが米ソ冷戦のためシベリア上空を通ることができないということ。そのためSAS(スカンジナビア航空)はシベリア上空を避け、やむなく北極を通るルートが採用されました。

http://claremontvintage.com/2018/10/21/aviation-history-the-sas-polarouter/

しかし北極圏には強い磁場が存在し、その影響で時計が狂うことが問題に。

その問題を解決するべく、時計を提供したのがユニバーサル・ジュネーブだったんです。新しい飛行ルートに関わる乗務員はSAS北極圏飛行学校で特別な訓練を受ける必要があったのですが、その訓練の際に強力な磁場にも耐えうる自動巻きを提供したのがユニバーサル・ジュネーブでした。

想像を超える厳しい状況にも耐え、狂うこと無く使えたことが評価されたこの時計は、SAS(スカンジナビア航空)のオフィシャルクロノメーターとして採用されることに。

厳しい条件の飛行ルートでしたが訓練の成果もあり、ついに1954年1月5日、北極圏を通る商業飛行として初めてSAS(スカンジナビア航空)の航空機がコペンハーゲンから飛び立ちました。

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世界初の飛行ルートということもあり世界の注目を集めていたこのフライトにはデンマーク、スウェーデン、ノルウェーの首相や多くのジャーナリストが乗り込みコペンハーゲンからグリーンランドを経由してアメリカのロサンゼルスを目指しました。

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コペンハーゲンを離陸してから5時間5分後、予定していた到着時刻よりわずか3分遅れただけでロサンゼルスへ無事に到着。

当時、このフライトは世界初の北極圏を通る商業フライトということで大きな注目を集めていたこともあり、この成功のおかげでSAS(スカンジナビア航空)と腕時計を提供していたユニバーサル・ジュネーブの名前が人々の知るところとなります。

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ユニバーサル・ジュネーブはこの偉業を称えて、1954年秋に「ポ ーラルーター」と名づけた自動巻き腕時計を発表。

SASのクルーメンバーがSAS ポールルーターを贈られて笑顔の写真

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その時計をデザインしたのは、後に数々の有名な時計を輩出したジェラルド・ジェンタでした。

この時計はジェラルド・ジェンタの初期のデザイン作品としても知られています。

 

「ポーラルーター」は北極圏を通るフライトの際に乗務員が着用していたものと同じキャリバー138。

(Cal.138)

一番初めはポーラールーターという名前だったんですね。

しかし、すぐにモデル名が「ポールルーター」に変更され、ムーブメントもマイクロローターで有名なキャリバー215に変更されました。(Cal.215)

マイクロローターの利点は時計の厚みを超薄型にできること。

それまでの自動巻きはローターの厚みの為に薄型化できずにいたんです。

何とか自動巻きで薄い時計を作ることができないか?という問題を解決する方法としてマイクロローターが生まれました。

自動巻きの錘(おもり)が通常のものより1/4程度の大きさのMicro Rotor マイクロローター。

 

ポールルーターには多くのモデルがあり「ポールルーター」、「ポールルーター・デラックス」「ポールルーター・デイト」「ポールルータ ー・ジェット」「ポールルーター・ スーパー」、「ポールルーター・ジュネーブ」と、この他のバージョンを合わせると11種類もあり、かなり人気があったということですね。

 

当時の広告には『SAS Pilot-Tested  Around the Globe』、『Global-Ptotected AUTOMATIC WATCH』と書かれています。

北極圏を通るフライトに耐え抜いたという耐磁性・耐久性が強調されていますね。

 

耐磁性を兼ね備え、かつ自動巻きの厚みを抑えるためマイクロローターを搭載し、薄くすることに成功したポールルーター。

この時計にはこんなストーリーがあるんです。

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