Timeless, Classic Design Patek Philippe CALATRAVA 3796
パテックフィリップ カラトラバ 3796R。
Timeless ... 不朽の、時代を超えた(超越した) という言葉がぴったりの96シリーズのカラトラバデザイン。余計なものを削ぎ落としたシンプルなデザインは、2023年の今でも素直に格好良いと感じる理由として「機能がフォルムを決定する」というバウハウスの哲学からインスピレーションを受けてデザインされたとされる、1932年に登場したカラトラバ「96」のデザインを踏襲しているからではないでしょうか。
「96」と同じ「30.5mm」というケースサイズは現代の時計からするとかなり小ぶりなサイズに分類されますが、逆にこのサイズ感にしか出せないバランスの取れたデザインとも言えます。
山型のドーフィンハンド、砲弾型のアプライドインデックスは多面カットが施され美しい見た目と同時に視認性も良いのが特徴です。まさに「機能がフォルムを決定する」というのはこのこと。どの角度から見ても美しく正確な時間を確認することができます。時計本来の「時間を知る」ことと、デザインや美しさを両立させているという点ではカラトラバが際立った存在なのは間違いないですね。
幅広なフラットベゼルやケースと一体化したラグも96シリーズの特徴のひとつ。もっと詳しくカラトラバの特徴を知りたい方は"PATEK PHILIPPE CALATRAVA 3796G"をご覧下さいね。
パテックのカラトラバ 3796を買うと決めた人の中で一番迷うのがYGかRGまたはWGのどれにしようかということがあると思います。ステンレスに見た目が近くてすんなり普段使いできそうなのがWG、でもパテックの3796と言えばYGとイメージ、YG・WGとも違うRGなのか。
これ以外にもWGダイヤやサーモンピンクダイアル、裏スケのパターンもありますが今回は候補から外すとして(めちゃめちゃお洒落ですが)、この3つのカラーめちゃめちゃ迷いますよね。YG・WG・RGの3つを実際に見た感想は、どれもそれぞれの良さがあってどれも良いです。どの素材、色味を買っても元のデザインが良いので後悔はしないと思います。
フラットな幅広ベゼルと一体化されたラグ。ベゼルとラグの上面は鏡面仕上げ、ケースの横面は筋目仕上げとパッと見ただけでは分かりませんが、こんな細かい部分にもパテックのコダワリが見て取れます。些細なことかもしれませんが当たる面によって光り方が変わります。この仕上げの違いで他の人から見た時に受ける印象が変わる気がしますよね。
近くから見ても遠くから見ても美しく完成されています。
ラグは曲線になっています。この写真は仕上げの違いが分かりやすいですね。こんなにまじまじとラグを見る機会はそうないですが、このガッシリ感が良いんです。
カラトラバ十字のブランドエンブレムが刻印されたリューズ。こういう細かいところが◎
裏蓋を見ると2箇所、刻印されているのを確認できます。(これはキズとかアタリではありません)上の写真は750と書かれた秤と犬のマーク。
これはPPC2と750。これはホールマークと言って金やプラチナの純度や品位を証明する刻印のこと。
ホールマークをもう少し説明すると、貴金属の種類や純度、検査を受けた場所、年代や製造メーカーを証明する刻印のことです。ちなみにスイスにホールマークが導入されたのは1881年のことだそう。
スイス国内で製造されたものでゴールドの他にプラチナやシルバー、パラジウムなんかにもホールマークの刻印を義務付けています。スイスのゴールドのホールマークには1995年まではヘルヴェティアと呼ばれる女性の横顔でしたが1995年以降はセントバーナードに変更されました。
この時計にはセントバーナードが刻印されてます。セントバーナードの首の所にアルファベットでGの文字が入っていますが、これは検査した場所のことだそう。GはGENEVA(ジュネーヴ)のGで、ZはZurich(チューリッヒ)のZといった感じ。
純正尾錠の裏側にもホールマークが。
それでは着用写真を見ていきましょう。
モデルの腕周りは約16.5cmです。ご参考にして下さいませ〜。
RG(ローズゴールド)は日本人の肌と馴染みやすいと言われていますが、実際そうなんですよね。YGほど黄色みが強くないので抑えた色味がかなり上品ですね。
このサイズ感なら、あえて小さめのヴィンテージ時計を着けてますという範囲内ではないです?30.5mmは今なら男女兼用でいけますね。
時計自体は主張し過ぎないのですが埋没することも無い、この表現伝わります?
いつも時間を確認する時にウットリしてしまうような、そんな完成度。正直、ドレス時計はこの時計をまず買ってから次に行って欲しい。個人的にはそんな風に思ってしまいます。
シャツはもちろん秋冬はニットなんかにもはまります。どシンプルな故、服を選ばないというのも高ポイント。
1982年〜2001年頃までという長期間に渡って生産されていたモデルのパテックフィリップ カラトラバ 3796。後継の5796はケース径が37mmとかなりサイズアップされている(33mmの5096はありますがレア)ので小さめのサイズならこの3796ですね。
巷ではよく「上がりの時計」なんていう言われ方をする時計がありますが、パテック 3796は間違いなくそのひとつではないでしょうか?
写真でこれだけ格好良いんですから、実物はもっと格好良いですよ。