Vintage Audemars Piguet 31mm Dress Watch
今からおよそ30年前の1990年頃に作られたオーデマ ピゲのヴィンテージ時計。1875年から続くオーデマ ピゲの歴史から考えると1990年頃というのは最近のように感じてしまいますが、現在の2023年から考えると30年も経っているのでヴィンテージと言って良いですよね。
ヴィンテージの良さのひとつとしてサイズ感があると思いますが、現行品などは40mmに近いサイズが多いので、平均的に腕周りがそこまで太く無い日本人からするとドレス系の時計はかなり大きく感じるのではないでしょうか?
ヴィンテージになってくると小ぶりなサイズの時計が多いので〜17cmぐらいまでの腕周りの方は、このサイズ感のほうがしっくりくると思います。
アルビトロが提案をしている時計のスタイルは、時計だけが目立つことなくファッションとして全体のバランスが取れていること。それでいて時計に注目してみると、シンプルかつこだわりがある、というバランスを大切にしています。
今回はそんな条件を満たした3本をご紹介。
いずれの時計も31mm~31.5mmのケース径。左からPG(ピンクゴールド)、YG(イエローゴールド)、WG(ホワイトゴールド)ですので、見た目からして高級感がありますよね。
シンプルなデザインですがどれも少しずつ違うんです。左はバトン針、中央はドーフィン針、右はペンシル針でインデックスも、左は369がアラビア数字と小さめのクサビ、中央はローマン、右はバーとそれぞれ異なるデザインが用いられてます。
さらに左の時計はスモールセコンド(秒針)が付いたクラシックなデザイン。どれも格好良いのでどれが良いか選ぶのは難しいのが悩みどころですよね。
逆に言うと、これぐらい異なる3本を持っておけばどんなスタイル(ファッション)にも対応できそうです。
まずは左のPGから見ていきましょう。
このオーデマ ピゲ Ref.4932は世界限定50本というかなり珍しいモデル。
オーデマ ピゲのミュージアム(現在のミュージアム「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ」になる前のミュージアム)開館を記念して作られたもので、Ref.4918というレクタングルの時計とセット販売されていたものなんです。
この時計は販売時の証明書が付属しますが、その書類には「1930年代のデザインにインスピレーションを得て作られた」と記載があります。クラシカルな雰囲気というのはスモセコやインデックスを見ると伝わってきますね。
オーデマ ピゲの凄いところはクラシカルな要素を入れながらも、単純に古いということでは無くしっかりと現代的な雰囲気にアップデートされているところです。この時計を見て古臭いとはならないんですよね〜。
ラグもクロウラグと呼ばれる、鷹の爪の形をした曲線的なラグ。手間がかかってますね。この少しぷっくりとした感じがポイント。
アプライド(植字)のインデックスとスモセコ。スモセコも十字のライン、2種類の仕上げで立体的に見えます。
裏蓋には「EDITION-LIMITED-A-50-PIECES」の刻印。ホールマークもしっかりと残っていますね。
モデルの腕周りは約16.5cm。31mmのケースって数字だけ見ると少し小さいかな?と思うかもしれませんが、少し小ぶりな感じで「小さすぎる」ということはありません。あえてこのサイズ感の時計をしてるのってお洒落じゃありません?
ムーブメントはフレデリックピゲ Cal.810ベースのCal.2085。同年代のエドワード・ピゲ、ジョン・シェーファーなどのコレクションの時計にも使用されていた薄型ムーブです。
Cal.810ベースのこのムーブメント、ヴァシュロンやオーデマの様々な時計に搭載されています。オーデマではCal.2080、ヴァシュロンではCal.1132というのがそうです。この時計はスモセコ付きなのでCal.2085になっていると思われます。
ムーブメントが薄型なのでケースも薄く、袖に引っかかることもありません。
少し引きの写真。PG(ピンクゴールド)は個人的に好きなんですが、その理由は優しい雰囲気で肌馴染みが良いのと嫌らしくない高級感があるところ。存在が埋没し過ぎず、かと言って主張し過ぎずのちょうど良いバランス。
次はオーデマ ピゲ エクストラフラット 14273 YG ホワイトローマン。
これぞドレス時計というような正統派なデザインですよね。
サイズは31mm。YGケースにドーフィン針とローマ数字のインデックスは誰が見てもクラシカルな雰囲気と思えるシンプルなデザインで、ヴィンテージ感を感じられる時計が欲しいけど古すぎるモデルはちょっと..と思っている方にピッタリです。1989年頃の時計には見えないのが◎
きれいなホワイトダイアルにプリントのローマンインデックス。ドーフィン針をしっかりと見ると、実は山型にカットされているのでのっぺり感は無く陰影がでるので立体的に見えます。こういう細かい所に手がかかっているのがオーデマやヴァシュロンなどのブランドの凄さですね。
シンプルなんですが、不思議と物足りないということは無くずっと見ていられます。余白の感じが良いからなんでしょうか?この時計で飽きると言われたら何を薦めていいか分からないぐらい、飽きがこない時計です。
わずか5mm!というケースの厚さからエクストラ・フラット(Extra Flat)、エクストラ・シン(Extra Thin)と呼ばれるこのモデル。ムーブメントは先ほどもご紹介したフレデリック ピゲのCal.810ベースのCal.2080。よくこんな薄いムーブメントが作れたな〜と言うぐらい薄いムーブメントなんです。この年代のオーデマやヴァシュロンのにははジャガールクルトベースとフレデリックピゲベースの薄型ムーブメントが搭載されているものが多いです。
最後は オーデマ ピゲ 14791 WG シルバーグレーダイアル
YGやPGでは無くステンレスに近い感じの色味が良い、という方におすすめの時計です。18K ホワイトゴールドなのでパット見は普通な感じ?と思うかもしれませんが、この時計、かなり凝っています。(多くの写真がありますので、ぜひ商品ページもご覧下さいね)
文字盤は見る角度や光の当たり方で明るい場所ではシルバー、暗い所ではグレーと微妙に色味が変わって見えます。この写真では分かりにくいかも知れませんが、ベゼルを含む表面はポリッシュ仕上げ、ケース側面はヘアライン仕上げと2種類の仕上げが使い分けられているんです。この2種類の仕上げのおかげでのっぺりとした感じでは無く、光が当たると立体的な感じになります。
この仕上げ+WG(ホワイトゴールド)素材なのでビカビカに光るというよりは、渋くキラリと光るのがポイント。
ラグも正面から見るとストレートに見えますが、横から見ると曲線のデザインになっています。(これは説明が難しいので商品ページで確認して下さいね)
かなりシンプルです。でもこのシンプルさが良いんです。
この時計もCal.2080。薄型ムーブメントはドレス時計の良さがさらに際立ちますね。
ざっくりとしたローゲージの素材などにも合わせやすい。パンツの素材は麻。こんなラフな感じのスタイルにも合わせやすいんですよね〜。
今回ご紹介した3本ともそれぞれ違った良さがあるのでコレって言うのが難しいですが、あとは既にお持ちの時計とのバランスや好みによると思います。サイズ感なんかも写真でご確認頂ければ幸いです。