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カート

カートが空です

オーバーホールとは?

時計のオーバーホールはムーブメントはもちろん外装もきれいにすることができます。

 

ロレックス サブマリーナー オーバーホールの様子。

ブレスを外してヘッドとブレスに分けた状態。

ベゼルを外した状態。

あらかたバラすとケース・ダイアル・針・ムーブメントなどに分かれます。

かなりキレイな個体ですね。こういう場合は多くの場合オーバーホールのみで大丈夫です。

部品交換が必要ないので(パッキンは消耗品なので交換します)修理料金は抑えられます。

定期的にオーバーホールをして下さいっていうのは、そういうことです。

パテックフィリップやランゲ・アンド・ゾーネと言った高級時計のオーバーホールも承っています。 

右の渦を巻いている長い物体は一体何か?と思うかもしてませんが、これが「ゼンマイ」と呼ばれるものです。

このゼンマイというのはムーブメントのどこに入っているのかな?と思いますよね。

香箱と呼ばれるゼンマイを収める部品を開けています。

実はこんな小さな丸い箱の中に収められているんです。

先ほどの香箱の中にこんな長いゼンマイが入っています。

この長いゼンマイをローターを利用して巻き上げを行い、グルグルと巻いていきます。

その巻き上がったゼンマイが解(ほど)ける力を利用して歯車などの部品を動かして針を進めている、という原理。

少し話がそれました。ムーブメントをバラしていく途中でもうひとつ大切な作業があります。

それが「予備洗浄」と呼ばれるものです。この予備洗浄の段階であらかた汚れを落とすんですね。

完全にバラし終えると、専用の機械で部品を完全に洗浄していきます。

職人の手によってまずは手で汚れを落とします。

こちらも予備洗浄をしているところ。

分解を進める過程で部品を欠けや歪みなどが無いかをひとつひとつチェックしていきます。

かなり小さな部品ですので顕微鏡を使って調べています。

こんな小さな部品をひとつひとつ調べていきます。

部品に問題があれば交換するか、もしくは工具を使って直します。

このように手作業で部品を修理したりするんです。こんな作業はベテランの修理職人だからこそ、ですよね。

精密部品専用の超音波洗浄機。家庭用のものとは違いプロ向けなのですごいお値段がします。

この機械を使って部品の油汚れなどを完全に落としてキレイな状態にします。

洗浄が終わると組み立ての作業に入ります。

 

洗浄が終わると、バラしたのとは逆に、順々に組み上げていきます。

組み上げていく時に新しい潤滑油を注油します。

組立をしたら、精度調整や防水検査などを行うという流れです。

ケースと風防

先ほどの状態からムーブメント・文字盤・針・リューズを装着。

最後にベゼルを装着。

こちらは防水検査をする機械。

オーバーホールの流れを一通り見てきましたが、これとは別に磨き(ポリッシュ)作業もあります。

磨き作業はこれまた職人さんの腕がモロに出てしまう作業ですので、信頼できるお店に頼みましょう。

 

最後にランニングテストをして精度に問題が無いかを確かめます。精度調整をしながら精度を上げていくこともあれば、どうも調子が出ない場合は再度オーバーホール作業や部品のひとつひとつに原因が無いか確かめる作業を行います。

 

古い時計の場合、この調整作業にかなりの時間がかかります。ムーブメントの問題もありますが昔の工作精度があまり良くない時代の時計だとオーバーホールをしただけだとなかなか難しい事が多いんです。

 

お客様の立場だとオーバーホールはどんな作業をしているのか?や何でそんなに時間がかかるのか?ということが分からないと思いますが、こんなに細かい作業の連続を丁寧にしているから時間と費用がかかるということを分かってもらえれば幸いです。