VACHERON CONSTANTIN Historiques 91001 “Cabinotier” YG
VACHERON CONSTANTIN Historiques 91001 “Cabinotier” YG ヴァシュロン・コンスタンタン ヒストリーク 91001 キャビノチェ YG
現在もヴァシュロン・コンスタンタンで続く「ヒストリーク」シリーズ。1755年から続いているこのブランドが生み出してきた数々の時計の中から、象徴的なタイムピースを現代に合わせたスペックにして復刻しているのがヒストリークです。
特に1990年代にヴァシュロン・コンスタンタンから発表されていたモデルは小ぶりなサイズ感のものが多くおすすめです。
レクタングルケースは大きめなサイズのものが多い中、このキャビノチェは「26mmx31mm」とちょうど良い大きさ。
YGケースにYGのマルタ十字のロゴがかたどられたリューズ。ラグもよく見るとクラシカルなデザイン。
ダイアルの外側、内側、スモールセコンドで仕上げのデザインが違います。特に波のような模様が施されているのでアクセントになっていますね。
バックケースにはこのモデルの由来になっている「キャビノチェ=窓からの光が最もよく入る屋根裏部屋で作業をする職人」の姿が刻印されています。
このキャビノチェ、もともとの語源を少しご紹介。
16世紀から始まった宗教改革(弾圧)の影響による迫害を逃れるため、フランスやドイツなどからスイス ジュネーヴへ多くの方が亡命し、その中には宝石職人や時計職人、彫金師など多くの職人がいました。
スイスへ亡命した職人たちは夏に農作業をし、冬は雪で農作物が育たないため、家の中で一番光が入り明るい屋根裏部屋をアトリエとして時計作りを始めました。
これがキャビノチェの由来なんです。
ちなみにキャビノチェという単語、Cabinotier(フランス語)は英語ではCabinet(キャビネット)、つまり「屋根裏部屋」。
腕時計はワインと同じで、歴史的な事が色濃く影響しているので面白いですよね。ただの精密機械というだけではなく、こういう成り立ちみたいな事を知るともっと時計に対して興味が湧いてきますよね。
スイスに時計産業が根付くきっかけになったとも言える「キャビノチェ」の存在。
1755年から260年以上、一度も途切れること無く続く世界最古と言われるヴァシュロン・コンスタンタンがこのキャビノチェというモデルを生み出したというのもグッときます。
ヴァシュロン・コンスタンタンというブランドが歴史的に密接な関係にあった「キャビノチェ」に対しての敬畏が、このモデルに表されていますよね。そんなことも含めて格好良い時計と言えるんじゃないでしょうか。